17 Oct 2025 Blogpost Chemicals & waste

大阪万博2025: 日本が食品廃棄物削減の成果を発信―国際的な取り組み拡大へ

2025921日 大阪 – 大阪・関西万博2025において、政府関係者、自治体代表、企業、市民社会が国連環境計画UNEP)、公益財団法人地球環境センターGEC)、大阪市とともに、日本の食品廃棄削減における世界最先端の取り組みを紹介し、COP30で発表予定の「Food Waste Breakthrough(食品廃棄ブレークスルー)」への支持を呼びかけました。

本イベントは、UNEPの大阪万博における期間限定展示のクロージングセレモニーとして開催されました。916日から21日にかけての展示では、「青空のためのきれいな空のための国際デー」と「食料ロスと廃棄に関する啓発の国際デー」をテーマに掲げ、大気汚染の削減と食品廃棄削減の密接な関連を示しました。UNEPからは、シーラ・アガーワル=カーン産業・経済局長と中村武洋 国際環境技術センター(IETC)長が参加しました。

食品廃棄:世界における優先課題

世界で生産される食料の3分の1は毎年失われるか廃棄されており、その経済的損失は年間1兆ドルを超えます。また、食品廃棄は世界の温室効果ガス排出量の約10%を占め、そのうち約14%がメタンによるものです。こうした背景から、食品廃棄の削減は気候変動対策、食料安全保障、そして経済の持続可能性の観点から、最も効果的でありながら十分に活用されていない解決策のひとつとされています。

日本:SDG 12.3を達成した初の国

日本は2000年以降、食品ロスを53%削減し、持続可能な開発目標(SDGs)の目標12.3「2030年までに食品ロスを半減」を達成した世界で唯一の国です。この成果は、精緻なデータ測定、省庁横断的な協力、企業のリーダーシップ、市民キャンペーン(例:「てまえどり運動」)など、多様な取組の積み重ねによって実現されました。

農林水産省 食品ロス・リサイクル対策室長 鈴木学氏は、日本の『もったいない』文化や、食品企業に課された定期報告義務が成果の鍵となったと述べ、「企業のイノベーション、関係者間の効果的なパートナーシップ、消費者の行動変容が、食品ロス削減の原動力になるでしょう」と語りました。また、日本はさらに目標を引き上げ、事業系の食品ロス60%削減を掲げています。

都市が牽引する成果:大阪・横浜

「食品廃棄削減はコスト削減また、温室効果ガス排出削減につながります。大阪市は、市民・事業者・来阪者・関係団体など各種主体と連携した取組を積極的に進めていきたい」と、大阪市環境局長の井原優子氏は強調しました。大阪市はすでに事業系食品ロス削減目標を上回り、2025年度までに2000年度比で、事業系は62%削減を達成。「大阪市食べ残しゼロ推進店舗」登録制度や多言語対応の「食べ残し持ち帰り希望カード」などを導入しています。

横浜市は、売れ残った賞味期限内のパンを割引販売する「SDGsロッカー」などの取り組みを紹介し、食品廃棄物を2000年度に比べて2024年度で63%削減したと報告しました。「市民の94%が食品廃棄物の削減に積極的に取り組んでいます」と、横浜市資源循環局 政策調整部長 江口洋人氏は述べ、「もったいない」や「いただきます」の価値観を次世代に継承する重要性を訴えました。

民間セクターのリーダーシップ

ファミリーマートは、「ファミマecoビジョン2050」のもとで食品廃棄物を30%削減。「なみだ目シール」と呼ばれる値引きシールの導入により、消費期限間近の商品の販売率を5ポイント改善し、年間推定3,000トンの廃棄削減につながっていると発表しました。ファミリーマート マーケティング本部 サステナビリティ推進部長の大澤寛之氏は、「同じ消費を行うのであれば、環境に配慮した選択をしようとする消費者が増えており、企業としてもそうした消費者の行動変容に対応することが求められています」と述べました。

セカンドハーベスト・ジャパンは、企業からの食品寄付拡大のための税制優遇や、フードバンク活動での余剰食品活用実績をカーボンクレジットと連動させる金融モデルの必要性を強調しました。「毎年、何百万食もの食事が廃棄される代わりに救うことができます。余剰食品を活用することで、廃棄されるはずだったものを地域社会にとって重要な支援に変えることができます」と、セカンドハーベスト・ジャパンCEOの芝田雄司氏は語りました。

COP30に向けて

本イベントは、COP30で発表予定の「Food Waste Breakthrough」への機運を高めました。このイニシアチブは、UNEPUN気候チャンピオンが主導し、2030年までに食品廃棄を半減し、埋立廃棄をゼロにすることを目指しています。すでに日本、ブラジル、アラブ首長国連邦が参加を表明しており、2030年までに世界のメタン排出量を最大7%削減することを目指しています。

行動への呼びかけ

閉会の挨拶で、GEC理事長の下條慎二氏は「日本の取り組みは、誰にでも実現できることを示しています。『もったいない』という精神は、日本ならではの価値であると同時に、持続可能で脱炭素な未来に向けた世界共通の指針です」と語り、世界レベルでの行動を呼びかけました。

 問い合わせ先

Clementine O'Connor, clementine.oconnor@un.org Giorgia Patarnello, giorgia.patarnello@un.org