14 Jun 2021 Story

新レポート: 新型コロナウイルスの流行がE-wasteに与える影響について

新レポート: 新型コロナウイルスの流行がE-wasteに与える影響について (2020年第1~3四半期)

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新型コロナウイルスの流行により私たちの生活は大きく変わりました。

多くの企業が在宅勤務という新たな働き方を取り入れ、従業員には在宅勤務用のノートパソコンやその他のオフィス機器を提供しています。そして、デジタル化と自宅で過ごす時間の増加により、電子・電気機器の消費が増加すると予想されてきました。学校や大学は、オンライン教育に頼らざるを得ず、学校や学生は以前よりもIT機器のニーズを抱えています。さらに、家で過ごす時間が増えることで、古い電子機器の買い替えや、他の便利な家庭用機器の購入が増えています。

"The Impact of the COVID-19 Pandemic on E-waste in the First Three Quarters of 2020 "は、ボンで活動する、United Nations University (UNU) Sustainable Cycles programme (SCYCLE)と国連訓練調査研究所(UNITAR)が発表した新しいレポートです。本報告書は、UNEPとのパートナーシップのもと、季節変動を補正した2018年と2019年の月次データをもとに、貿易統計を「通常通り」のシナリオと比較することで、新型コロナウイルスの流行がいかにE-wasteへ影響を与えているのか分析しています。

2020年初めの3四半期では、電子・電気製品の消費量は重量で6.4%、490万トン(Mt)減少したと報告されています。一方、ゲーム機、携帯電話、電気オーブン、ノートパソコンの消費は、増加がみられています。特に高所得国では電子・電気機器の消費量は0.3 Mt増加し、その結果、将来の電子廃棄物の発生量も増加することが見込まれています。
 

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全体的な電子機器の消費は減少していますが、国別で比較した場合、低・中所得国では30%の削減が見られたのに比べ、高所得国ではわずか5%の削減と大きな差が見られました。この差は、社会的な影響を示唆しており、低・中所得国の人口は、最新の通信技術やその他の電子機器へのアクセスが高所得に比べて困難であるということを意味しています。

また廃棄物の観点から考察すると、この一時的な消費の減少は、数年後の電子廃棄物者の減少にもつながってきます。電子機器廃棄物の不適切な管理が引き起こす環境・健康被害が問題となっている地域では、この一時的な減少のタイミングでもう一度、管理方法を見直し、改善していくことが望まれています。

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レポート全文(英語)はこちらから